極悪彼氏

また戻ると、夢羽はレモンティーを飲んでいた。



まだ眠くねぇ…。



「腹減った」

「あっ、ゲンさんがなんか作ってやれって言うから買い物してきた」

「お前、ゲンジの言うことは素直に聞くんだな」

「ゲンさんには借りもあるし。いい人だから」



気に入らない。



まるで俺が性格悪いみたいじゃねぇか。



「もう夜だし。ハンバーグ作ってあげる」

「料理できんのか」

「焼くだけのですけどなにか?」



キッチンを借りると言い、夢羽には背の高いキッチンでなにやら格闘を始めた。



米を炊くのも初めてらしくて一生懸命。



「ねぇ、さっき見えたけどコタローが着けてるネックレス」

「想羽さんのと同じ」

「お揃いなの?」



中1ん時、俺が買ったネックレス。



想羽さんがバイトしてた居酒屋で歳をごまかしほんの少しだけ働かせてもらった。



学校にバレてクビになった時までに稼いだ金で買ったら、想羽さんがカッコイイとか言い出して。