極悪彼氏

俺に気づき、一瞬こっちを見てから視線を元に戻した。



「こ、コタローのおうちって広いね!!」

「普通」

「何人で住んでるの!?」

「俺だけ」

「そ、そっか…」



なんか、見てわかるほどに動揺してる。



全く意味がわからず、冷蔵庫から水とレモンティーを取り出した。



「ゲンジはどこ行った?」

「寝るんだろうからって、彼女さんのとこに行った」

「なんだったんだよ、アイツ…」



結局ここにムーを連れてきただけか?



髪を拭きながら夢羽に渡したレモンティー。



赤い顔をしてそれを受け取り、視線は合わない。



「なに?その反応」

「だ、だって!!ふ、ふふふっ…服…着てないから…」

「俺の自由だろ」

「目のやり場に困る!!せめてパンツくらい履いてよ!!」

「うるせぇヤツ…」



バスルームに戻り、タオルを取って服を着てやった。



さっき少し寝たせいか、頭は若干スッキリしてる。