極悪彼氏

目を開けた時、心臓がドキドキしていて。



喉が乾いてる…。



「起きんの早いっつーの」

「何時間寝た?」

「30分」

「ウソだ」

「マジだっつーの。ムー迎えに行くからバイク借りんぞ。シャワーでも浴びとけ」



そう言ったゲンジが俺のバイクの鍵を持って部屋から出て行った。



シャワーで落ち着かせようと、ゆっくり浴びて浴槽にも入ることにした。



この状況に疲れた…。



想羽さんがいてくれた時は死んだように寝れたのにな…。



渚さんに会ったら、俺はまた眠れるんだろうか。



あの人も俺のことを心配してくれたひとり。



面倒が嫌いになったのは、たぶんこのおかしな体質のせいだと思う。



いつから俺はまともに眠れないんだ?



それすら忘れるくらい昔からか…。



シャワーを浴び終え、部屋に出るとソファーには夢羽が座っていた。



どうやら、想羽さんの実家はさほど遠くはないらしい。