極悪彼氏

確かに今の桜香は究極にめんどくせぇ。



今までの元カノとは振られることで終わらせてきた。



俺が余りにも構わねぇのに嫌気が差したのが大半。



今回はそう簡単にいかないらしい。



この前から毎日迎えに来るようになり、帰りはいつも桜香と一緒。



ふざけんなって感じだけど、ケンカになるのも面倒で何も言わない俺。



別れんのもアリかもしれない。



ゲンジと一緒に向かった家にはラフな格好の桜香。



「ゲンジ君、遊びに来たの?」

「うるせぇ。出てけ」

「は!?琥太郎、マジで意味わかんない」

「疲れた。別れる」

「別れ…他に好きな女でもできた?」

「テメーなんか最初から好きでもなんでもねぇよ」



そう言うと、一気に涙目。



鬱陶しいヤツ…。



「鈴原 夢羽ってコのせい?」

「関係ねぇ」

「関係ないならあのコ、どうなってもいいんでしょ?」



なんだそりゃ。



夢羽に何かするって?



俺の知ったことかよ。