極悪彼氏

それから6時間。



コタローは全く起きずに眠り続けた。



途中で戻ってきたゲンさんに頼むからいてくれと言われ、教室に戻ることもできずに。



急にムクッと起きあがったコタローは状況を確認中。



「ずいぶん寝たな」

「寝た…な…」

「帰るぞ」

「コイツ…連れて帰る…」

「オイオイ、それはダメだろ。ムーにだって家があんだから。それに、あの女と切れって言ったろうが」

「あの女?」

「桜香だよ」



やっぱりゲンさんはコタローを知ってる…。



ゲンさんが指さした外には昨日の人。



まさかまたあたしに会いに…。



「ムーに迷惑かけんじゃねぇよ」

「何来てんだよ、あのブス」



ぶ、ブス!?



絶世の美女みたいな彼女をブス!?



「そうか、ムーの方がカワイイか」



ゲンさんがからかうようにそう言うと、コタローが頷いた。



あたしもゲンさんもビックリして、徐々に体温が上がり。



「アイツ、いらねぇ。夢羽だけでいい」



ボンッと頭の中で爆発が起こった気がした。