極悪彼氏

やっぱりコタロー、変だよ…。



「あたしとコタローが噂になったら彼女、立場ないでしょ?」

「知らねぇよ。アイツがなにしようが、どう思おうが」

「好きなんじゃないの…?」

「女ってめんどくせぇ」



隣に座ってソファーの背もたれに深くもたれるコタロー。



ため息をついてからあたしを見た。



「お前は何で俺の思い通りになんねぇ?」



本当に不思議そうな顔をしたコタローはさっきと違って落ち着いている。



感情の起伏が激しい…。



「あたしも人間だからだよ。コタローとは違う人間だから」

「じゃあ同じになれよ。お前は俺の言うことだけ聞いとけ…」

「彼女の誤解は解いてね?」

「ん~…」

「コタ…ロー…?」



ダメみたい。



眠くて意識がなさそう…。



ドキドキさせられまくり…。



コタローの言葉は何考えてるのかわからない…。



誰もが勘違いしちゃうよ…。



さっきのはどうやら落ち着いたわけではなく、眠かっただけだとわかった。