極悪彼氏

初めて想太郎を俺と夢羽のベッドに寝かせた。



落ちないように真ん中にして。



「ねぇコタ、お風呂入ってきていい?」

「あぁ」

「じゃあ想のことお願いね」



夢羽が風呂に入りに行き、想太郎とふたり。



不安そうな顔をしてる。



俺はこんな時でもひとりだったからその気持ちは痛いほどわかってしまう。



「元気になったらどっか行くか」

「どこ?」

「行きたいとこねぇの?今までママとどこ行った?」

「映画館。パパの見に行ったりした」

「は!?」

「映画、いっぱい見たよ」



そうだったのか…。



全然知らなかった…。



夢羽はどんな想いで俺が出た映画を見てたんだろう…。



「僕好きなの、パパが死ぬヤツ。アレ、カッコイイの」

「嬉しくねぇけど…ちゃんと見てんだな…」

「全部見たよ。パパ出てるの、ママと見てたから」

「迎えに行くの、遅くなってごめんな…」

「パパ、どこにも行かないでしょ?」

「行かねぇ。仕事でいなくても、ちゃんと想んとこに帰る」



ニコッと笑った…。