極悪彼氏

ふたりが心配で想太郎の部屋の前で聞き耳を立てた。



「お前はウソつきじゃねぇ」

「うん…」

「なんならもっと言い触らせ。俺も言っちゃうしな」

「パパも?」

「あぁ」



あたしにはできなかったことをコタローが解決…。



信じられない。



あのコタが息子をなだめるなんて…。



「俺の息子で恥ずかしいか?」

「恥ずかしくないよ。パパ、いつもカッコイイから」

「明日、保育園に送ってやる」

「パパと行くの?」

「そうだ」

「パパの大きい車!!乗りたかった!!」



あたしが知らない想太郎を見た気がする…。



やっぱり今まで父親を待ってただけあって、想太郎はコタローにたくさんのものを求めているんだとわかった。



あんまり寂しい顔なんてしない子だから余計に…。



「ママ、社長さんからのケーキ食べる」

「ウサギ?」

「くま」

「夜ご飯もちゃんと食べるんだよ?」

「うん」



いい顔しちゃって…。



コタローもやってくれるよ…。