極悪彼氏

夢羽のオヤジは夢羽の憔悴しきった姿に焦っただけ。



まだ認められたわけじゃない。



「なぁ、いつ産まれんの?」

「8月」

「夏か…」

「うん、コタローは秋生まれで、あたしは冬生まれ。子供は夏生まれだね」



話を逸らしたのに離れようとしない夢羽。



強く握られた服が胸まで締め付ける。



「名前、何がいい?」

「考えてねぇ」

「女の子だったらカワイイ名前がいいな~」

「お前が決めろ。夢羽、俺はまだ…」

「ヤダから!!何も聞かないからっ…」

「お前を迎えにはこれねぇよ…。苦労させんの、目に見えてるし」

「コタローと一緒ならいくら苦労したっていい!!」



ダメだ。



今の俺じゃ…まだ強くねぇ。



「産むのも…育てんのも…まずはこの家で…」

「ふざけんなっ!!誰の子供だと思ってんの!?もうすぐ産まれるのにっ…」

「わかってる」

「わかってない!!」

「愛しいよ、俺の大事なもんなんだから。すげーな…生きてんの…」



泣いてる夢羽の腹の中には俺の大事なもの。