極悪彼氏

痛いのか苦しいのか…。



「ママ、お腹…張ってる気がする…」

「はぁ!?病院行くぞ」

「なんで?」

「いいから車乗りな」



ママはわかってたみたい。



お兄ちゃんを妊娠した時、入院したって聞いたことがあった。



「このままだと産まれちゃうから」

「まだダメですけど?」

「点滴して様子をみましょう」



緊急入院。



一気に襲った不安。



今はまだ産まれてきちゃダメ…。



もう少しお腹の中にいて…。



「落ち着けばすぐ帰れる。そんな顔すんな」

「何かあったらあたしのせいっ…。コタローに謝っても謝りきれない…」

「大丈夫、大丈夫だ。今は何も考える必要ねぇから」



頭がおかしくなりそう…。



この不安とひとりで戦って…潰れちゃいそう…。



この子を失ったら…あたしは生きていける気がしない…。



ママがそばにいてくれた。



毎日お見舞いに来て、遅くまでいてくれる。



ママがいなかったら、あたしはきっとダメになってただろう。