極悪彼氏

【琥太郎】



夏休みが終わってもオヤジは帰らない。



ここから仕事に行き、ここに帰ってくる。



たまにメシを作って待ってたりして、マジでどうすりゃいいのかわからない。



「朝ご飯できたよ~」



そんな言葉で目覚め、用意されてるコーヒーに戸惑う。



何がしてぇんだ、コイツは…。



俺から見ても高校生のガキがいるようには見えない。



33歳と言っても、見た目は20代に見える。



堂々と街を歩いたって、親子には見えないだろう。



「ここにいて、俺のことがバレたらどうすんだよ」

「弁解しないで俺の息子だって言うよ?」

「…………人気なくなるだろ」

「別にいいよ。もう一生遊んで暮らせるくらい稼いだし」



今の人気がなくなるとは思えないけど。



実力派ってヤツ?



「なぁ、俺の母親は?」

「えっ、朝からそんな重たい話?」

「別に誰だっていいけど。子供捨てるくらいの女だし」

「言わなきゃダメ?いずれ戸籍とかでわかっちゃうとは思うけど…」

「誰だよ」

「女優さんだよ。俺と同い年。嫌いなんだよね~、あの人」



だから誰だって聞いてんだろ。