極悪彼氏

まさかアイツも知らない?



いや、あのゲンジが知らねぇはずがねぇ。



「何でゲンジがここにいねぇんだよ」

「わりぃ、それは言えねぇ」

「ふざけんなよ?俺の前にアイツが知らねぇわけねぇだろ」

「落ち着けよ」



落ち着いてる。



これでも抑えてんだ。



「お前が動いてお前が決めろ。俺らはいつでも従ってやる」

「情けねぇ…。暴れんぞ」

「勘弁しろよ、俺んちで」

「で、ゲンジは?」

「家行けよ…。俺はなんにも言ってねぇからな」

「また連絡する」



さっぱり意味を理解してない夢羽とゲンジの家に向かった。



何を隠してやがる。



「コタ…」



いつも勝手に入るゲンジの家。



部屋にはベッドに横になってるゲンジ。



タイキが言わなかった理由はコレか。



「スゲーやられてんじゃん」

「お前の次は俺ってことらしい」

「何で言わなかった」

「コタがキレそうだから」



キレるっつーの。