極悪彼氏

ノックをしても返事はなくて、ドアを開けるとパンツ姿のコタローが布団を抱き枕にして眠っていた。



近づくと聞こえる穏やかな寝息。



眠るコタローを起こすのがもったいなく感じてベッドに座って眺めた。



いつ見てもキレイな寝顔…。



ケンカばっかりなのに傷一つないカラダ…。



あたしもその布団みたいに抱きしめて?



「コタ君、朝です」



返事は返ってこない。



そっと腕に手を置いた。



暖かい…。



やっぱり…大好き…。



「コタロー、朝だよ」

「っせぇよ…」

「ご飯食べよう?」

「いらねぇし…」

「デートするんだから早く起きてぇ~!!」

「お前が騒ぐから…違う方が起きた…」



半目で下ネタですか!?



コタローがそんなふざけたこと言うのはレアだけれども…。



「先に行くからね」

「ムリ。昨日我慢してやった」

「我慢しろなんて頼んでない」

「偉そうに。朝から起きあがれなくしてやるよ」



ぬぁぁぁ!!



押し倒された…。