極悪彼氏

あたしが知らない男の目。



カラダが動かない…。



正直、オシッコ漏らす。



「本物はどいつだよ」

「上段じゃないですって!!本当にコイツです!!」

「テメー、殺されてぇか…」



何この声!!



お兄ちゃんの声と全然違うっ!!



「オイ」

「はいっ!?」

「入学式で挨拶したヤツ、どいつか教えろ」



あたしが!?



ってかあたしなんだけど…。



怖くて…腰が抜けそう…。



「あたっ…」

「お前…カワイイな…」

「はい…?」

「で、誰だ?」

「あたし…です…」

「は…?」

「言ったの、あたしです」



もうどうにでもなれ。



この様子じゃ無事に生還できそうもないし。



だったらいっそのこと楽に気を失った方がいいよね?



「あたしだって言ってんだろうが!!耳ねぇのか」

「空耳か…?猫の鳴き声が…」

「猫じゃない!!あたしがトップもらうって言ったんだよ!!」

「おぉ…、こんなバカ初めて見た…。ツラ貸せや」



は、はい…。