「・・・紗弥、つらかったね。」



話を聞き終えたあず姉は、私を抱きしめてくれた。



「・・・あず姉、・・ありがとう。」



「ううん。でも、あたしも同じ事あったよ?」



「えっ、内村さんと??」



「うん。あたしも怒鳴られてね・・・。頭きたから、お見舞い行かなかったの。でもね、今なにやってるのかな?とか、大丈夫かな?とか、考えたら止まらなくて・・・。また、怒られるの覚悟で会いにいったの。」




「・・・それで?」




「なんか、あっちもあたしを心配してくれてたみたい。八つ当たりしてごめん。って、必死にあやまっちゃってさ、本当に・・・。」





あず姉の顔は、

思い出をなつかしんでいる顔だった。



「だから、紗弥も会いに行きなさい。」





「・・・うん。」