さっきまで紗弥が座っていたイスへ腰掛ける内村さん。
「…まぁ、何があったのかは知らないけどな、八つ当たりはよくないんじゃないか?」
内村さんの言葉が、胸に刺さる。
「はい……。」
「…俺もあったぜ。梓に当たったこと。」
「内村さんもですか……。」
「ああ。でも、やっぱ支えが必要で。」
そのあと、梓さんとは仲直りしたらしい。
「…とりあえず、仲直りしたらどうだ?」
「はい。」
「今日は、梓がなだめてくれると思うから。」
「……。」
「…あーあ。今日はこの後、梓とデートだったのに。」
「すんません…」
「予定台無しだ。俺、今日ここにいるからな。」