試合が動いたのは、前半23分。 ちょうど半分の時間に差し掛かった時だった。 相手のミスで生まれたチャンスに桂木君が瞬時に反応し、前田先輩にパスを出す。 前田先輩が、新レギュラーの栗橋君にボールを渡し、 そこから藍へ……。 藍が綺麗にゴールを決めて、リードした。 場内が一斉に盛り上がる。 私もまるで自分がプレーしているように、熱くなっていた。 でも、こんな歓声鳴りやまぬ会場が一瞬で静まるような出来事が私達を襲うのであった。