まるで、スローモーションのように見えた。
辺りが静まりかえる……。
___キャアー
黄色い歓声が聞こえてきた。
は、入った……。
「藍~!!!」
「うっ…。」
まだ試合中だというのに、飛びついてくる飛鳥。
「飛鳥、やめろ。まだ同点なだけじゃん。あとは、お前が決めろよ。」
「わかってるって♪後輩に点決められて終わりじゃ、キャプテンの名が廃るぜ。」
そういってすぐに自分のポジションへ戻っていった。
チラッと監督がいる方を向く。
すると、いつもは誉めない監督が
『よくやった』
そう口パクで言っているような気がした。