ん、知ってる。


ん?

眉をひそめてグラスを置いた。

「気付きました?」

この紫色の液体の作者がアタシに問いかける。

店によってお酒の味は違うって言うけれど、これは違い過ぎだ。

アタシは眉をひそめながら彼の問いに答えずまず確認から入った。

「あの、ここのヴァイオレットフィズはすごくお酒って感じがしますね。」

「いや、敢えてそうしたんですよ。本当は砂糖を入れるんだけど入れなかった。失恋に甘さなんて無いでしょ?」

うん、無いな。

「ソーダ水と檸檬でスッキリしてパルフェタムール、『完全なる愛』が見つかると良いですね。」

あの日、駿はそう言って笑ったんだ。

アタシの『完全なる愛』も見つかった。

そう思ってた。