ん、知ってる。



「彼氏には何回も言ってるんだけど、住むところ困るのかな?出てってくれないや…。」

アタシの急な返答に、盛り付けてたクリームが少し跳ねた。

大ちゃんは溜め息をつきながら跳ねたクリームを拭く。

「お前に新しく彼氏とか出来れば出てってくれるんぢゃね?」

たまに大ちゃんが言う「新しく彼氏が出来れば…」って言葉。

何度か彼氏に「好きな人が出来た」とか「彼氏出来た」とか言ってみたけど、アタシの行動パターンは読まれてるのか全く通用しなかった。

やっぱりリアルに彼氏出来なきゃ無理なのかなぁ。

「無理だよ。昼も夜もバイトしてるし、出会いないし。」

アタシは皿を大ちゃんに渡しながら苦笑いをした。

「だよなぁ…。」
「大ちゃんは良いよね。帰ったら愛する料理下手な彼女が待ってるもんねぇ。」
「おーよ。彼女のためだったらなんでも作るぜ!」

アタシの恋愛の話しは大概暗くなっちゃうから、後半は大ちゃんののろけで終わるのが定番。

彼女さんは幸せ者だねぇ。

あーぁ、アタシもちゃんと愛されたいなぁ…。