「おはようございまーす。」 赤と黒で統一された店内に入るとカウンターの中でワイングラスを拭いていた店長に挨拶をした。 「おぅ、おはよー。」 店長にお酒を頼んでいた常連さんもアタシに向かってヒョイッと右手を挙げる。 「長谷川さん、今日もいらっしゃってこの店が大好きなんですねぇ。」 アタシはそう言うと常連さんの肩を軽く揉み笑った。 店長はアタシのこの発言に、 「いや、長谷川さんは俺の作った酒が好きやねん。」 と、ドヤ顔。