ほんのり甘くて、ちょっぴり切なくて。


「すんませーん。
ちょっとどいてくださーい。」


後ろから男の人の声がする。



ドアのところに立ち止まっていたあたしたち。


「あっ、すみません。」



振り向くと、見たことのある顔。

誰だったっけ?


「ごめんね、ありがとう。」



顔つきは怖そうなのに、ニッコリ笑った顔はとても可愛かった。



「あの人、いつも臼田くんと一緒にいる人!
小倉玲央(オグラレオ)くん。」


そうだ!

いつも臼田くんと一緒にいるから見たことあるんだ。