恋色語

「はぁ…はぁ。ん?」


途中の公園で足が止まった。うちの学校の制服が目に入ったから。

携帯の時間は…ないない。今も崖っぷち。

ただその男子生徒はベンチに座って、学校に行く気配が感じられない。


「私急いでる。あいつはバカ。結論、私学校行く。

……あーもう!この世話好きが時に腹立つ」


私だけ行っても良かった。けどその生徒は見覚えがあった。

以前、私とぶつかってずっと睨んでた人。


「もしもし。遅刻するよ?」

「………」


公園に入ってそいつの前で呼んだのに顔を上げない。さっきから下を向いたまま。

同じ一年なのに何この態度。


「学校…行かないの?」

「………」


時間ないのに何こいつ。多少強引にいってみるか。


「あのねっ、私はあんたに言ってんの。…あー!!とりあえず顔を上げい」


鞄を持ってない方の手でそいつの顎を持ち上げる。

やっぱり。あの時ぶつかった人だ。