「…………っ」


壁に飾られた巨大な絵は、あの日、初めてモデルをしたとき撮った記念写真。



「ライト?あたしたち幸せそうだよ……」



あのときは何も考えてなかった。

未来も過去も。
自分自身も。



中央で夕陽を浴びているのは、あたしが置いていったリングだ。


ごめんね。

こんな可哀想なことして……

あたしはそっと、リングを薬指にはめた。

涙が溢れて、ダイヤを濡らした。



「……手紙?」


側に封筒が置いてある。

あたし、だよね……