「ん……」


――目覚めは、最悪だった。

頭は痛むし硬い床で寝かされていた為か腰もひどく痛かった。

そして目覚めてすぐ鼻をついたつんとする薬品の匂いに私は顔をしかめる。

「ここ……ドコ?」

頭を擦りながら辺りを見渡す。目に入るのは、私と同じように床で寝かされた九人の男女と天井に幾つか設置された黒いカメラ。



……監視カメラ?

ありえない……


私は戸惑いを隠せないままその場に立ち上がり、靴下のまま歩き回った。
冷房がきいているのか、異様にひんやりとした床は私の僅かに残った眠気を吹き飛ばしてくれた。


「……」

あぁ……もうほんと何なのここは……


歩き回ってみて分かったことは、ここからは脱出出来ないということだけだった。

窓も無く、外との唯一の繋がりであろう出入口は、頑丈に目張りがされていた上、鍵も何重にもかけられているようだった。

思わずため息が漏れる。