The殺サィト

「もう、や……だ」

虚ろな瞳で、竜はそれだけを呟いた。

「竜……?」

「分からなくて、いい……どうせ誰にも分からない、だろう、から……」


――それは、竜の“生きていたくない理由”のこと?


とてとてと、誰かが覚束ない足取りで近づいて来るのが分かった。

振り向く気にもなれず、私はそのまま竜の赤い顔だけを見つめ続けた。



「……かわいそうなひと」

近づいて来た誰かはそう口にした。

そしてゆっくりと私の横に腰を降ろすと竜の赤い頬を両手で包んだ。


「それでも分かって欲しかったんだよね?」


とても優しい声だった。