The殺サィト

響吾の鋭い視線の先には、鍵をかけられ目張りをされ、頑丈に閉ざされた一枚の扉。

壊せる……ものなのだろうか。


「まあ、一度やってみる価値はあるか」

意外にもその提案に乗ったのは、翼だった。彼はようやく壁から離れ、私達のもとへやって来た。


「全員立って。女の子も、君もね」

そう言って、翼は悠大にも視線を向ける。悠大は嬉しそうに頷いた。

まあ、どうせやるのなら一度で最大限の力で、っていうのには納得がいく。
翼に敢えて逆らう者がいる筈もなく、私も素直に彼の指示に従った。




「じゃあ行くよ。せーのっ」

翼の掛け声を合図に、全員が扉の目張りに身体をぶつける。
しかし、びくともしない扉と目張り。

苛立った響吾が一人で扉と目張りを殴り続けたが、いい変化は全く訪れなかった。




「まあこれで強行突破は無理だってことが分かったね」

翼が涼しい顔でそう言うと、再び部屋には倦怠感が漂う。
変化の無い状況は、こんなにも人を追い詰めていくものなのか……


「あの……僕、トイレ……行きたいです」