The殺サィト

眠ったまま床に置き去りにされた悠大は少し気の毒だったけれど、早苗が駆け付けてくれたおかげで、場の空気は変わった。

「うわ、麗花大丈夫?」

「麗花ちゃん、顔色悪いよ?」

今だけは、この厄介な症状に感謝した。よかった……争いが収まって。

誰かの具合が悪いと分かれば直ぐに心配をするこの人達は、根はいい人なのだと確信が持てた。




大分私の気分も良くなってきた頃、紗理奈が呟いた。

「はー、ほんと、アタシ達これからどうしよっか」

「おれ、思うんだけどさ、スピーカー男の言うことに従うしか道が無いと思うんだよね!」

すっかり眠りから目覚めた悠大の元気な発言の後、私も話に加わる。

「あいつに……従う?」

「うん。言うこと聞けばここから出してくれるんじゃないかな」

「そんな簡単にいくものなのかな……」

正直、無理だと思った。第一、私達はあの男から具体的に何をすればいいのか聞いてもいない。


「……なぁ、あの扉、ぶっ壊してみねぇか?」

倦怠感剥き出しの私達にぶっきらぼうな提案をしたのは、響吾だった。