The殺サィト

翼は私の視線を受け取ると、無表情のまま自己紹介を始めた。

「俺は、安西翼(アンザイ ツバサ)。同じく高一。よろしく」

「へー、彼、格好いいじゃん」

紗理奈が私の耳元で囁く。

「……まあ、顔はまぁまぁだけどね。性格最悪だよ」

そう小声で返した私に、翼の冷たい視線が刺さる。

……何だよ。本当のことじゃんか。




自己紹介も一段落した所で、竜の提案でこれからの話をすることになった。


「へぇ。で、そのスピーカーから男が話しかけてきて、アタシ達にやってもらうことがあるって言ったわけね?」

「うん……」

スピーカーを指差す紗理奈に頷く私と無反応の翼。
他のみんなは神妙な顔つきで私達の話を黙って聞いていた。

「……で、見ての通り出口も無いと!」

「うん」

紗理奈は明るく振る舞っていたが、実際にはこの絶望的な状況をどう思っているのか……


「おれ、なんか眠くなってきちゃった……」

ふにゃあ、と欠伸をしながら、悠大は唐突に床に崩れた。

「全く……ガキは呑気なもんだな」

その寝顔を見ながら、響吾は皮肉気に呟く。