The殺サィト

早苗に促されて自己紹介をしたその男はどう見ても制服姿の高校生で、女だの酒だのといった発言に何だか嫌な感じがした。

場の空気が固まったことにも気がつかないのか、響吾と名乗った男は気だるそうに伸びをしている。


「あのっ、僕は久本竜(ヒサモト リュウ)です。僕も中三です……よ、よろしくお願いします」

気を遣ったのだろうか、異様にあたふたとした様子で、響吾の左隣の少年が名乗った。もとより華奢な印象を受ける身体が、長身で少し筋肉質な響吾と並ぶことによって際立って細く見えてしまっている。

「……わたしは、赤木みく(アカギ ミク)。……高一」

続けて名乗ったのは、髪をお団子にした小柄な女の子。タメだということに驚いてしまった。

彼女は黒目がちの瞳で、制服のスカートを掴みながらぽーっとしている。
私はその姿から、ハムスターなどの小動物を連想した。


「俺は水上奏斗(ミナカミ カナト)。高三」

みくに続けて素っ気なく名乗った男を見て、思わず私は固まってしまった。
光の無い窪んだ瞳。前髪が長いせいで、そんな瞳がチラチラと覗き、なんだか怖い。
顔に似合わずガタイもよく、何となく近寄りがたい雰囲気を醸し出していた。