……昔、誰かが言っていた気がする。「この世にいらない命なんて無い」って。

だけどそんなのは嘘だ。


「……嘘だ。」

足をゆっくりと前に、前に踏み出して。

私はふわりと身を投じた。

何もかもがどうでもよくて、最後の最後まで自分のことがよく分からないまま、私は死だけを受け入れた。

――これで、やっと、おわる……