The殺サィト

私は慌てて翼の薄い身体を突き飛ばした。

そして一番近くで眠りに落ちていた女の子のもとまで駆け寄り、その柔らかい身体を精一杯揺する。

「起きて! お願い! 大変なの……!」

「ぅうん……?」

女の子は長いサラサラの黒髪で顔を覆い尽くしていた為、その表情を窺い知ることは出来なかった。しかし、もう少しで目覚めてくれそうなことは確かだった。

「早く起きて! お願い!」

私は懇願するように、彼女のセーラー服を掴みながら彼女に呼び掛けた。

本当に、寝てる場合じゃないの!
あんな……自殺を促すようなサイトの連中が犯人ならば、私達の身の保証なんてきっとどこにも無いんだから……




「無駄だよ」

しかし、焦る私とは対照的な冷たい声が背後から聞こえた。
振り向けば、そこには冷たい表情を浮かべた翼の姿があった。

「なに?」

私は上目遣いで翼を睨み付ける。

「何が無駄なの……?」

「この部屋をよく見れば分かると思うけど。今皆を起こしたって、どうやってここから出るつもりなわけ?」

余りに冷たい瞳に、恐怖を通り越して怒りを覚えた。