正直会ったことがなかったし、いつもメールと電話だけだった。

会いたいねって言ってもその時は私が中3で翔ちゃんも高3だったから会える訳なかった。


早くバイトしたいなぁ。

何度思ったか。

結婚しよーねって私が電話で言ったとき、笑いながら「えー」って言ってたけど、切った後、すぐにかけ直してきてくれて「大人になったらね。」って言ってくれた。

私、本当に嬉しかったよ。

それでも会えないから辛くて、2人で話して別れるってなったときも、「本当に大丈夫?」って。

この人はどこまで優しいんだろう。そう思った。

でも寄り戻すって話が出たときはさすがに断られたけどね(笑)

あの時の私はすごく積極的だったな。


逃げられなかったのは彼を裏切りたくなかったから。

私が高校に行かないって行ったときも、翔ちゃんだけは「夢がなくても、何処かの高校に入れば夢が見つかったときに後悔しなくて済むかもしれないじゃん?周りの友達とかが高校行かなくて良いよって言ったって、俺は佐季が立派な大人になって幸せに過ごしてほしいと思ってる。」

そう言ってくれた。
そして、電話を切るときに

「ちゃんと高校卒業出来たら俺が会いに行く。それで1回会って、佐季が俺のこと良いと思ったら結婚しよ。」