今日で前の彼女と別れてから一ヶ月が経つ。
「なんか、つまんない」の一言で彼女からは振られ、現在はフリー満喫中。
周りは彼女居る奴ばっか。
なんか、俺だけ取り残されたみたいな感じで。

二宮頼、20歳。
今年20歳になったばかりの新成人。
高校を卒業してからそれとなく地元にある大学に進学した俺は、中学からの親友と共にこの風呂無しアパートで男二人で住んでいる。
風呂無しって最初聞いたときは驚いたけど、意外に銭湯通いもいいもんだし。
何より、お爺ちゃんたちと仲良くなれるってとこがいいね。
トイレなんか今どき水洗トイレ。
通じる人には通じるだろう。今どき『ボットン便所』だ。

なんでボットン便所なのか?
そんなの、想像に任せるよ。

しかしそのルームメイトとやらも、彼女の家に行ってもう四日も経つ。
いつもは男二人でワイワイ騒いでいるこの部屋が、一人ぼっちの部屋になりもう四日間。
いい加減寂しい。正直すっげー寂しい。
でも、俺はそんなこと言わない。
「寂しいから帰ってきて(ハート)」なんて言わない。

女じゃねーんだから。
ソッチの気があるとでも思われたらどーすんだよ。
長年の親友に引かれるっつーの。