やっとこっちを向いてくれたと思ったら。
は?
え?違う女の子?は?
え、まじ意味分からないんですけど。

「え、待って。違う女の子って・・・?」
「その・・・同じ職場で、働いてる子」
「あたしは?」
「もう、好きじゃない」

やだ。
何このどんでん返し。
意味分かんない。え、あたしって何。
じゃあ、この家は・・・
「家は、どうすんの?」
そう言えば目線がリビングの隅っこに置いてある荷物に移った。

要するに、あたしはここを出て行くしかないと。
そういうわけだね。そういうわけでしょ。

「出て行けばいいんでしょ?」
頷くアイツ。
呆れて何も言えない。
「信じらんない・・・女一人路頭に迷わせる気かよ!」
声を荒げると、驚いたようにあたしを見ながら「漫画喫茶とか色々あるじゃん!」と言った。