あの日、ゆらは男に襲われかけた。

屯所に戻ると、
ゆらは拷問部屋に勝手に入った。

男はまだ気を失っていた。

拷問部屋に男を
吊り上げると、
ゆらは、土方の部屋に向かった。

もちろん、拷問部屋の
使用許可を得るため。

しかし、

「なに!?
 拷問部屋を使いたい!?」

土方は部屋におらず、
近藤の部屋に向かった。

案の定土方は近藤の部屋にいた。

「それは、なぜだね?」

答えるのもめんどくさいとおもい、
簡潔に、

「怪しいやつがいたもので。」

とだけ、答えた。

「怪しいやつ?」

土方は眉間にしわを寄せた。

「分かった。許可を出そう。」

近藤さんが許可をくれた。

「ありがとうございます」

「よし、じゃあ、俺が行く」

え!?
拷問って、土方さんも!?

「いえ、私1人でやらせてください」

「なぜだ?」

土方さんの眉間のしわがもっと
深くなった。

「あのものは、土方さんたちが
 追っている長州のものではないと思います」

そう、
だって、あいつは私を襲ってきたんだもの。

「根拠は?」