「そうだ、私もモンブラン買ったからあげますよ」


「え?いいの?……いやいや、悪いからいいよ」


「気にしなくていいですよー。私、あなたにつられて余計に買っちゃっただけだから」


「俺につられて?」


「いいから、どーぞ♪」


不思議そうだったけど、目の前にモンブランを差し出したらまた少し口が笑った。


「ありがとう、それじゃいただきます!」


私の手からそっと慎重に受け取り、そのままおいしそうにバクッと食べ始める。


バクッバクッ。


「んめー!ごちそうさま!」


(わぁっ、三口で食べちゃった!!)


目を丸くしてる私に男が言った。


「俺さ、甘い物好きなんだよね。まわりからは似合わないってよく言われんだけど」


ハハッと笑って、おもむろにかぶっていたキャップを取る。