「これを預かって欲しい」


と、指輪が手渡された。

輝く宝石の奥に家紋が浮かび上がっているのが見えた。


「これは……」

「うちの家紋だ。だけど、ワシがそれをつけとると怖がるものがおるでな。お前に預かってほしい」

「こんな大事なものを?」

「何、ワシとて身軽に遊びたいときもある」


と、祖父はウィンクした。