執事と共に賭け事を。

「まあ、あなたの女性の好みを知るいい機会にはなったわ」


その言葉に、春樹は困惑したように眉を下げた。


「お嬢様……それは、」

「わかってるわ」


恵理夜は知っていた。

彼は、もう母を断ち切っているということを。


「別にいいのよ、マザコンでも」

「お嬢様……」

「私だって、両親を切り離せてないもの」


恵理夜のその胸には、未だに両親を失ったという穴が開いている。


「子供って、きっとそういうものなんだと思うわ」


そう微笑む恵理夜の顔は、すべてを受け入れようとしているものだった。

春樹は、無言で恵理夜の肩を抱き、進むべき道を促した。


その時――