執事と共に賭け事を。

「シャネルの5番――春樹の母親が愛用していた香水よ」


ツバキの手が、力なく降ろされる。

恋人として、女として見られていなかったという事実が、美しい彼女のプライドを完全に引き裂いていた。

そして、入り口の扉が開く。


「孫娘を返してもらいに来た」


頼もしい祖父の姿が、そこに合った。