執事と共に賭け事を。

「もう、貴方の意図の通りにはなりません」


恵理夜は、真っ直ぐに相手を見つめながら言った。

しかし、その瞳は相手の意図によって囚われているのではなく、自らの意思で相手を射抜くように見つめる強い瞳だった。


「おやおや、随分強気になったね」


しかし、ヒガキは全く怯む気配がない。

それでも恵理夜はカードを出した。

そして、相手も同じようにカードを出す。

恵理夜はその手を目で追う。


「先ほどのお茶には、君を目覚めさせる何かが入っていたのかな」


恵理夜が、相手の目線や見られている自分以外のことを感覚する度に、掛けられる声。

それは、恵理夜の感覚をヒガキの意図通りに修正するための言葉だった。

自分に向けられる視線、見られている自分を感覚するというのはひどく疲弊する。

その疲弊する感覚から、逃れられないようにするために、ヒガキの視線や言葉は計算されていた。

そのおかげで、恵理夜はイカサマを見抜けなかったのだ。