執事と共に賭け事を。

「私は、いつでも待っているわよ。それとも、受身な女は嫌いだったかしら」

「仰る意味がわかりません」

「……素敵な紳士になったわね。誰のおかげかしら」


そう微笑むツバキの肩越しに、恵理夜の祖父が手招きをしているのがわかった。

そして、その奥のベンチには恵理夜の後姿があった。


「失礼、主人を待たせておりますので」

「主人?」


春樹は、一歩下がって一礼した。

そして、その場を歩み去った。


瞳に、動揺の色を湛えたまま。