「さあ、準備が整いました」


最後に、恵理夜の髪に香水を吹きかけてやる。

それは、春樹が恵理夜に与えたものだった。


「先ほどは、貴女一人でした」


恵理夜は、最高の鎧を纏わされた。


「けれど、今回は私が最大限の力を持って、貴女を守ります」


春樹は、恵理夜の指輪を失った手を、自分の左胸に押し当てた。


「貴女が、望むなら」