執事と共に賭け事を。

「もし、11人の船で10人しか助からないとすれば、私が船に残りましょう。それは、貴女のためです。貴女を生かすためだ」


どこまでも力強い言葉。


「……言葉では、簡単に言えるわ。でも、実際に自分の身を犠牲にする勇気が、あるの」


そう言いながら、恵理夜は想像していた。

冷たくて雄大で残酷な海を前に、自分の勇気を試される瞬間を。


「あります」


決して揺らぐことのない声。