執事と共に賭け事を。

「今、私は真剣に考えた。そして、私は……」


恵理夜は、脆い瞳で微笑みながら言った。


「ヒガキさんの言うとおり、結論を出せずに、船と一緒に沈んでいく」


恵理夜の中で、何かが砕けた――そんな笑みだった。


「私のおかげで、1人は助かるわ」


でも――と一呼吸置いて、続ける。


「私はその人を助けるために沈むんじゃなくて、自分の意思の弱さゆえに沈んでいくの」


春樹は、くい、と優しく恵理夜の腕を引いて椅子から立たせた。

そして、静かに恵理夜を正面から見据えた。