執事と共に賭け事を。

「弱気になっておられますね」


春樹はそう言うが、その心中は察するに難くない。

恵理夜は、間違いなくお嬢様ではあるが、お嬢様ゆえの非力さとは無縁だ。

その恵理夜を、あんな状況に追い込んだ相手だ。

恵理夜の目には、恐怖があった。


「ヒガキさんからの質問ね」


春樹の手で、丁寧に髪をすいてもらいながら、沈みゆく船の話をした。