執事と共に賭け事を。

「春樹から聞いたが、船酔いはどうだ」


恵理夜は、曖昧に笑うしかなかった。


「理一も、船は駄目だったな」


理一――今は亡き恵理夜の父親だ。


「釣りにつれてった時は、面白いくらい顔が白くなってなぁ」


と、懐かしむように祖父は目を細めた。


「カシラ」


ふと、黒服の男が声を掛けてきた。

祖父は、男の言葉に二三頷くと恵理夜達に向き直った。


「ちょいと人に会ってくる。お前たちは自由に楽しんでくれ」


祖父は、そういうと恵理夜達から離れていった。