執事と共に賭け事を。

「やっぱり、僕の好みになってしまうかもしれないけれど……」


ヒガキは、青いドレスを差し出した。


「素敵な青ですね」


ヒガキのタイの色だ。

しかし、足元に向かって深い色へとグラデーションを作っている。

青、蒼、碧というように。

襟は高いが、袖がない。

恵理夜は、不安げな表情を見せた。


「お気に、召さなかったかい?」

「いえ、そういうわけではないんですが……」

「それならよかった」


ヒガキは、安心したように笑って部屋のドアを開けた。


「じゃ、あとは頼んだよ」


スタイリストらしい女性2人と入れ替わりにヒガキは出て行ってしまった。


恵理夜に、逃げ道は無かった。