「山下くんに何してんのよっ!」
あたしは囲んでいた細川くん達を睨みながら、山下くんの元へ駆け寄った。すると山下くんの口元が切れていた。
「またお前かよ。山下、山下うるせーな」
「あ・た・し・は!愛しの山下くんの身に何かあったら許せないの!美しいお顔に傷もつけて…アンタ達、何があって山下くんに手を出してるわけ!?」
「は?手を出す?……お前はバカかっ?」
「どうせバカよっ!」
「てゆうか、山下が好きなら知ってんじゃねーのかよ?」
……はい?
「何を!?教えてよっ!」
「マジで知らねーのかよ。山下が中学ん時に空手で全国1位になったこと」
ぜ、全国1位?全国って日本全国?イン…ジャパン?沖縄から北海道とか含まれるジャパン?
「で、俺たちは山下を空手部に勧誘していただけだ」


