「じゃ」
そしてお決まりのパターン。山下くんはスタスタと家路へ帰ってしまった。
もう、いつもすぐに帰っちゃうんだから。ま、そんな山下くんだから追っかけたくなるんだけどね♪
「だ・け・ど、あたしが簡単に納得するわけないじゃんっ!」
山下くんは悪くないのに生意気だなんて言いつけて…山下くんの心理を傷つけたこと、あたしは許さないわよ。
山下くんに何を言われても(あたしが言わない限り何も言わないけど)、止まらないんだから!
「よ〜し、愛する人のために誰が犯人か…」
「ちょっと待った」
ポンッと肩を叩かれて振り返ると夏生が立っていた。
「アンタ、声が大きい」
「ごめんごめん。熱くなっちゃってつい…」
「あのさ、良いコト聞いたんだけど」
ニヤッとする夏生の笑みはあたしの胸を疼かせた。


